タイトル | : Re^7: フル可動サキさん? |
記事No | : 5565 |
投稿日 | : 2007/01/27(Sat) 15:24 |
投稿者 | : 浅井真紀 |
> ちょっと単価高いなァ(笑)。
売価は自分が決めているわけではありませんので、 なんともコメントしづらいものがありますが、 部品数、素材別に必要な金型の数から推測するに、 単行本の価格を抜いた税込3500円前後としては順当かと思われます。 恐らく、同等数の部品数を用いた可動フィギュアを、 バンダイ、タカラトミー等の最大手以外で発売した場合、 この価格を大きく下回る、という事は無いでしょう。 (リボルテックは、関節のシリーズ共用と毎月発売を前提とし、 新規部品も経費を抑えられるような仕上がりで作られており、 単品販売の製品とは比較できません)
ここからは、浅井の私見であり、読まなくても良い所ですが、 現状の業界においての、根源的な問題の話でもあります。
かつてフィギュアのブームがありました。 折り良く、生産工場に対し、非常に有利な立場で製造できた時期に 完成品のブームは到来し、そしてそのブームありきで、 業界の動向は定まっていきました。 しかし、今になって、製品製造サイクルに、かなり無理のある現象がおきてしまっています。 数年前は、今の半分以下の経費で、 最大比ではありますが、今の100倍以上モノが売れました。 コンビニでは、何百万個とフィギュアが売れたんです。 だからこそ数百円で生産が出来たし、 アクションフィギュアも2000円を切ることが出来た。 価格水準は、その頃のイメージで、規準が決まってしまいました。 けれど今は、倍の経費で、人気のあるものでも、10万個も売れば大入です。 アクションフィギュアなら、数千というケースも珍しくありません。 これはイベント限定品の話では無く、一般流通品の話です。 まして、要求されるクオリティも、製作サイドで追及するレベルも上がる一方ですから、 今後も、価格が落とせる要素は一つも無いと言って良いでしょう。 原油高などは理由の一環として語られがちで、実際影響は大きいのですが、 仮に原油価格が低落したとしても、以前に戻れる事は難しい。 どのメーカーも、会社を潰すわけにはいきませんから、 諸々の方法で対応策を行っていますし、 それ故に、表向き顕在化も緩やかに見えますが、 浅井が内側から見る限り、このスタイルはもはや末期。 バブルはとうに弾けています。 今リリースされている製品群の価格が、 利益率において数年前よりもずっと低く設定されているにも関わらず、 不当なボリであると評価されがちな状況は、 バブルのツケを払っているようなものかもしれません。 (売れる時に売る、という選択肢は間違ったものでは無く、 バブル期の製品のあり方に異論は無いのですが)
繰り返しになりますが、今後も水準が戻る事は無いでしょう。 そして都度、暴利では無いかという疑念も付きまとうと思います。 そんな中で、自分達が今後戦い続けねばならない相手は、 過去に出来上がってしまった製品イメージなのでは無いか、と感じています。 比較で損得を語られるのでは無く、満足して貰えたか否か、という部分で、 良し悪しを語ってもらえる、その時まで。
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